
山間部や離島でもインターネットを利用したい、災害時の通信手段を確保したい、そんな方に注目されているのがSpaceXが開発した衛星通信サービス「スターリンク(Starlink)」です。2025年8月現在、日本ではauルートとSpaceX直接契約の2つの導入方法があり、それぞれ異なる特徴と料金体系を持っています。
この記事では、スターリンクの最新情報から導入方法、光回線との詳細比較まで、WiFi比較サイト運営者の視点で徹底解説します。
スターリンクとは?次世代衛星通信の革新技術
スターリンク(Starlink)は、イーロン・マスク率いるSpaceXが開発・運営する衛星インターネットサービスです。地球の低軌道上を周回する数千基の小型衛星を使って、地上のどこからでもインターネット接続を可能にする革新的な通信システムです。
従来の衛星通信との違い
- 低軌道衛星:高度約550kmの低軌道で運用(従来は約36,000km)
- 高速通信:光回線に匹敵する100-270Mbpsの通信速度
- 低遅延:20-60msの低いPing値を実現
- 広域カバー:地球上の99%以上をカバー
日本でのスターリンク導入方法は2つのルートが存在
2025年8月現在、日本でスターリンクを利用する方法は以下の2つに分かれています:
1. au Starlink Direct(スマートフォン向け)
サービス開始:2025年4月10日
対象:スマートフォンでの衛星通信
提供:KDDI(au)
2. SpaceX直接契約(ブロードバンド向け)
サービス開始:2022年10月(日本)
対象:家庭・法人向けインターネット回線
提供:SpaceX
au Starlink Directの詳細解説
au Starlink Directとは
au Starlink Directは、日本初となるスマートフォンと衛星の直接通信サービスです。au 5G/4G LTEエリア外でも、空が見える環境であれば衛星モードに自動切り替えされ、通信が可能になります。
au Starlink Directの料金体系(2025年8月現在)
利用者 | 月額料金 | 特徴 |
---|---|---|
auユーザー | 無料 | au料金プランに含まれる |
他社ユーザー | 1,650円(税込) | au Starlink Direct専用プラン |
UQモバイルユーザー | 550円(税込) | 特別割引価格 |
au Starlink Directの対応機種
iPhone:iPhone 13シリーズ以降(iPhone 16シリーズまで対応)
Android:Google Pixel、Galaxy、Xperia、AQUOSなど約50機種対応
au Starlink Directでできること
- SMS送受信:テキストメッセージの送受信
- 位置情報共有:現在地の緯度・経度を送信
- AIチャット:Gemini(Android)、シンプルAIチャット(iPhone)
- 緊急速報メール:災害情報の受信
- ファイル添付:Androidで写真・動画・ファイル送信可能
au Starlink Directの今後の展開
2025年8月から:データ通信機能の準備中
将来予定:音声通話対応も検討中
SpaceX直接契約Starlinkの詳細解説

SpaceX直接契約Starlinkの料金体系
プラン | 月額料金 | 初期費用 | 通信速度 |
---|---|---|---|
レジデンシャルLite | 4,600円 | 55,000円 | 45-130Mbps |
レジデンシャル | 6,600円 | 55,000円 | 100-270Mbps |
ROAM(50GB) | 6,500円 | 55,000円 | 移動利用可能 |
ROAM(無制限) | 11,500円 | 55,000円 | 移動利用可能 |
Starlink Miniの登場
価格:34,800円(従来の約半額)
特徴:持ち運び可能なコンパクトサイズ
通信速度:約70-120Mbps

SpaceX契約の特典
- 30日間返金保証:トライアル利用可能
- 工事不要:アンテナ設置のみ
- 契約期間なし:いつでも解約可能
- 全世界対応:海外でも利用可能
スターリンクと光回線の詳細比較
料金比較
項目 | スターリンク | 光回線 |
---|---|---|
初期費用 | 55,000円~ | 0円~40,000円 |
月額料金 | 4,600円~6,600円 | 3,000円~7,000円 |
工事費用 | 0円 | 0円~40,000円(キャンペーン適用時) |
通信速度・安定性比較
項目 | スターリンク | 光回線 |
---|---|---|
下り速度 | 100-270Mbps | 300Mbps-1Gbps |
上り速度 | 15-25Mbps | 300Mbps-1Gbps |
Ping値 | 20-60ms | 10-25ms |
安定性 | 天候に影響される場合あり | 非常に安定 |
スターリンクのメリット・デメリット
スターリンクのメリット
- 工事不要:アンテナ設置のみですぐ利用開始
- 広域カバー:山間部・離島でも利用可能
- 災害に強い:地上インフラに依存しない
- 高速通信:光回線に近い速度を実現
- 低遅延:リアルタイム通信に対応
- 契約期間なし:いつでも解約可能
スターリンクのデメリット
- 初期費用が高額:ハードウェア代55,000円(※Star Link Mini なら34800円)
- 月額料金が高め:光回線より1,000円程度高い
- 天候の影響:大雨・大雪時に速度低下の可能性
- 設置場所の制約:空が開けた場所が必要
- 電力消費:常時電力が必要
スターリンクが向いている人・向いていない人

スターリンクがおすすめの人
- 山間部・離島在住者:光回線が利用できない地域
- 建設・工事関係者:現場での一時的な通信確保
- アウトドア愛好者:キャンプ・車中泊でのネット利用
- 災害対策重視者:非常時の通信手段確保
- 頻繁に転居する方:工事不要で即日開通
光回線がおすすめの人
- 都市部在住者:光回線が利用可能な地域
- コスト重視者:月額料金を抑えたい
- 大容量通信利用者:4K動画編集・大容量ファイル転送
- オンラインゲーマー:最低遅延を求める
- 安定性重視者:天候に左右されない通信
2025年8月最新キャンペーン情報
au Starlink Direct関連キャンペーン
- 契約事務手数料割引:3,850円割引(クーポンコード:3MP066)
- UQモバイル特別料金:月額550円での利用可能
- auユーザー無料:追加料金なしで利用可能
SpaceX直接契約キャンペーン
- 30日間返金保証:満足できない場合は全額返金
- Starlink Mini特価:34,800円(従来の約半額)
- 送料無料:日本全国配送料無料
Starlink Mini なら初期費用を抑えられますし、30日間の返金保証もあるのでリスクゼロ。山間部に住んでいて衛星回線を試してみたいという方にはいいかもしれません。(※屋根があるところではなく、空が見えるところに設置する必要があります。)
スターリンクの申し込み方法
au Starlink Directの申し込み
- au取扱店またはau Online Shopにアクセス
- 対応機種の確認・購入
- au Starlink Direct対応プランの選択
- 利用開始手続きの完了
SpaceX直接契約の申し込み
- Starlink公式サイトにアクセス
- サービスエリアの確認
- 希望プランの選択
- Starlink Kitの注文
- アンテナ設置・利用開始
まとめ:スターリンクと光回線、どちらを選ぶべきか

スターリンクと光回線の選択は、あなたの利用環境と優先事項によって決まります。
スターリンクを選ぶべき場合
- 光回線が利用できない・工事が困難な地域
- 災害時の通信手段確保を重視
- 工事なしですぐにインターネットを利用したい
- 移動先でもインターネットを利用したい
光回線を選ぶべき場合
- 光回線提供エリア内で安定した通信を求める
- 月額料金を抑えたい
- 最高速度・最低遅延を求める
- 大容量通信を頻繁に行う
2025年現在、スターリンクは光回線が届かない場所での「唯一の高速インターネット選択肢」として、また災害時の「バックアップ通信手段」として非常に価値の高いサービスです。au Starlink Directの登場により、スマートフォンでの衛星通信も現実のものとなり、「圏外ゼロ」社会の実現に大きく近づいています。
あなたの通信ニーズに最適な選択肢を見つけるため、まずは利用環境と優先事項を整理してから検討することをおすすめします。